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- オーナーのための意思決定できる事業承継, 第2章 自社株の評価方法
- 2-3.類似業種比準価額の計算
2-3.類似業種比準価額の計算
類似業種比準価額方式では、評価会社の
①「配当」、②「利益」、③「純資産」
の3要素を基準に類似する業種の上場会社の株価に比準して、株価を計算します。
(1) 類似業種比準価額の計算方法
類似業種比準価額方式とは、類似する業種の上場会社の株価に比準して自社株の評価額を計算する評価方法をいいます。株価の価格形成要素としては、配当や利益、純資産価額のほか、事業内容や将来性、経営者の手腕などがあり、これらすべての項目を比準することが望ましいのですが、数値として把握することが難しいため、最も基本的な要素である評価会社の配当・利益・純資産をもとに計算します。
(2) 類似業種比準価額のポイント
①比準する3要素は「配当」「利益」「純資産」です。
比準する類似業種に比べて自社の3要素が高い場合には、結果として
自社株の評価額も高くなります。また、業種目は、評価会社の主たる業
種目により判定することになります。複数の業種目を兼業している場合に
は、単独の業種目の取引金額が50%を超える業種目により判定します。
②3要素は、原則として直前期・直前々期の決算数値を使用します。
③3要素のうち「利益」は3倍に加重して比準されます。
決算期をまたぐと比準要素が変わり株価も変わります。つまり、決算
での業績が株価に影響します。
3 要素のうち「利益」は3 倍に加重して比準されますので、「利益」
の株価に与える影響が最も大きいといえます。