Ⅱ(00)

I・N氏夫人

断酒会に入会して10か月が過ぎ、去年の今日と今年の今日のあまりの変わり方に、私自身信じられない気持です。
 結婚して32年、主人がアルコールに逃げる飲み方をはじめだしたのが23年前頃です。原因は自律神経失調症になってからだと思います。朝からは飲まないのですが、夕食に飲みだすと寝るまでだらだらと。私の父もお酒は飲みましたが一定量飲んだらそれでおしまいでしたので、酒飲みにもいろんなタイプがあるのだと思っていました。そして、数年過ぎてきますと飲む量が多くなってきて、飲み過ぎると些細なことで怒り喧嘩になりますし、物を壊すことも多くありました。
 6年前、食道腫瘍と診断され、手術を受けた後2年くらいは入退院を繰り返し、会社も出社すれど仕事もなく、体力もなく、ストレスだけかたまってアルコールに手が伸びる結果となる。私が主人の会社に呼び出されて、上司と相談して数か月早いが定年退職にしてもらいました。その後が本当に大変でした。毎日朝からお酒を飲みだし、体からアルコールが抜けたことがない毎日でした。
 私の言うことなど何も聞いてくれず、反対に私が悪いから飲むということで、何をする気力もない状態で飲んでは寝ている毎日でした。そうして幻覚症状が現れたりするようになって、やっとこさ病院に入院でき、3か月の予定を1か月縮めることで断酒会に通うことを私と約束して、断酒会に入会させていただきました。
 入会して10か月が過ぎ、昨年の今日と今年の今日のあまりの変わり方に私自身が信じられない気持です。病院で先生から教えていただいたお話、断酒会の皆さんの体験談や家族の方たちのお話やアドバイスに、自分でも考えてもいなかったこと、「自分は病気ではなく、主人だけが病気だ」と思っていたこと。そうではなく自分自身も共依存の病気だったこと、本当に今振り返ってみるとよく今日まですごしてこられたことだと思います。断酒会の例会に通いお聞きする体験談や家族のお話の中で、教えられ学ばせてもらうことで私自身気がつかなかった間違いもわからされて、感謝でいっぱいです。
 これから先も主人に断酒を続けてもらうためにも、主人共々に例会に通わせてもらい、教わりながら現在の平凡な幸せな生活を生きていきたく願っています。「断酒会の皆様と共に幸せになります」のことばを実行していきたく、思っています。ありがとうございます。


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