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- 第一章 国際私法(国際相続の相続人の判定)
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配偶者の死亡時、準拠する国は?
解説
1.相続準犯法の決定
(1)被相続人が外国人(日本国籍以外の国籍を有する場合)の場合、日本人が亡くなったが相続人の中に外国籍の方が含まれる場合、披相続人の財産が外国にもある場合等を広く渉外相続といいます。
(2)被相続人の相続について、如何なる国の法律が適用になるかは、相続の準拠法の問題であり、わが国では「法の適用に問する通則法(※)」第36条が「相続は、被相続人の本国法による。」と定めています。即ち、被相続人が死亡当時国籍を有していた国の法律に従うことになります。
※ 以前は「法例」第26条が規定していましたが、「法例」(明治31年制定)は平成18年に全面改正され、名称も「法の適用に問する通則法」に改められました。平成19年1月1日より施行されています。以下、「法の適用に問する通則法」を「法適用通則」と略します。
(3)更に、法適用通則41条では、「当事者の本国法によるべき場合において、その国の法律に従えば日本法によるべきときは、日本法による。」と定められており、法適用通則36条により指定された被相続人の本国の国際私法が当該問題の準拠法として日本法を指定している場合には、日本法によることになります(「反致」といいます。)。
2.本間の回答
(1)本間では、あなたの配偶者が亡くなったので、披相続人は外国人であり、被相続人が死亡時に属していた国の法律により、相続人の範囲、相続財産の範囲、相続分が決まります。
従って、あなたが被相続人である配偶者の本国地で暮らしていたならば、相続はその国の法律に準拠して行われ、その国にある相続財産については、その国の法律で処理されることになります。
(2)あなたの配偶者の相続財産となる財産が日本にある場合の処理についてですが、相続準拠法である披相続人の本国法によりあなたに相続権が認められ、外国でなされた裁判(目本にある相続財産にあなたの相続分が認められた内
容。)が一定の要件の下に承認されることにより解決されますが、その具体的実現方法は、相続人の本国法の内容、相続財産の種類等により異なります。