海外資産と相続税

Ａ
　アメリカでは遺産の相続人が税金を課されるのではなく、遺産の譲渡に税金を課します。それにより、相続税とは呼ばず、遺産税と呼ばれることになります。遺産税、贈与税、世代飛越税、これらは統一された課税システムになっています。贈与税は１生涯を通じての贈与に課されます。生涯を通じての贈与は死亡時の遺産総額の中に含まれます。遺産税は死亡時の資産の譲渡に対して課されます。世代スキップの税金は、資産の譲渡が税を納めることなく、次世代に譲渡されるのを防ぐものです。
　資産そのもの、あるいは資産を譲渡される者、あるいは資産を受ける権利のある相続人に税が課せられるのではなく、その資産の譲渡そのものに課されるのです。
　申告義務者は死亡時に遺産の総額を計算し、９ヶ月以内に申告をします。遺産総額から非課税額を引き、それから経費（葬式、事務費用等、認められるもの）を引いて、税額を算出します。
　非課税額は２０１１年は５００万ドル、２０１２年は５ １ ２万ドルになります。最高税率は３５％になります。なお、追加的に何らの措置もない場合、２０１３年以降については、非課税額は１００万ドルで、最高税率５５％が適用されます。ただし、非居住者の非課税額は６万ドルに限られます。