- Home
- 海外資産と相続税
海外資産と相続税
はしがき
会計の世界では国際会計基準が最近注目を集めているようですが、資産家のお金も大分海外に逃避しているようです。
資産家であるご本人の海外への移住、子女の海外留学、外貨資産運用等と海外をとりまく環境は、相続の世界にもかなり影響しています。
相続財産の内容が、海外不動産、外国市場有価証券、はたまた外国未上場有価証券であるケースが増えてきています。
あるいは、国際結婚があたりまえの時代ですので、相続人が外国人である相続の相談も結構でてきました。
例えば、海外にある財産について日本の相続税がかかるのかどうか、またかかるとしたらどのような評価になるのか、また外国人の相続人がいたり、外国にいる相続人との遺産分割をどのように行うか等です。
そこで、いままで受けた海外相続に関連する相談で、一般的ではありますが、かなり重要だと思われるケースを抜き出してまとめたのが本書です。
本書が皆様のお役にたてれば幸いでございます。
平成24年 7月 吉日
辻・本郷税理士法人
理事長 本郷 孔洋
目次
第一章 国際私法(国際相続の相続人の判定)
Q1 日本人が国際結婚をして外国で生活をしていた場合の配偶者死亡による財産
Q2 日本人が国際結婚をして日本で生活をしていた場合の配偶者死亡による財産
Q3 外国人の日本での遺言
Q4 外国人の相続放棄や限定承認手続
Q5 日本人が外国に所有する財産の遺産分割
コラム① 国際結婚と婚姻届
第二章 日本での申告要否の判定(納税義務者の判定)
QI 日本に住む父と私で、父が亡くなった場合のアメリカの不動産
Q2 日本に住む父と韓国に住む私で、父が亡くなった場合の韓国の不動産
Q3 シンガポールに住む父と日本に住む私で、父が亡くなった場合のシンガポールの不動産
Q4 フランスに住む父と私で、父が亡くなった場合の日本の不動産
Q5 イタリアに住む父と私で、父が亡くなった場合のイタリアの不動産
Q6 ドイツに住む知人と日本に住む私で、知人が亡くなった場合のドイツの銀行預金
Q7 日本に住む父と日本に住む私(父の死亡時には中国に滞在中)で、父が亡くなった場合の中国の財産
Q8 日本に住む父とオーストラリアに留学している私で、父が亡くなった場合のオーストラリアの不動産
Q9 日本に住む叔父とアメリカに住む私(日本とアメリカとの二重国籍)で、叔父が亡くなった場合のアメリカの不動産
コラム② 子供の戸籍
第三章 資産の所在地の判定
QI アメリカの銀行の目本支店の外貨預金
Q2 日本の銀行のイギリスの支店の普通預金
Q3 ドイツの銀行のドイツの支店にある普通預金
Q4 日本の証券会社で購入したイタリアの会社の株式
Q5 日本の証券会社で購入したオーストラリア国債
Q6 アメリカの保険会社の生命保険契約を日本の銀行で契約した場合の死亡保険金
Q7 中国の子会社に貸した長期貸付金
Q8 アメリカの保険会社の生命保険契約を日本の銀行で契約した場合の生命保険契約に関する権利
第四章 国外財産の評価方法
QI 土地
Q2 小規模宅地の特例
Q3 賃貸物件(借地権・借家権割合)
Q4 建 物
Q5 アメリカの会社(未上場)の株式
Q6 アメリカで登録されている自動車(日本でも購入可能)
Q7 ニューヨークとロンドンに上場されているアメリカの会社の株式
コラム③ 在外財産で節税は可能か?
第五章 為替換算の方丿去
QI 上場株式
Q2 課税時期について為替相場がない場合
Q3 プラスの財産とマイナスの財産
Q4 先物外国為替契約
Q5 外国で課された相続税
コラム④ 国外に5,000万円超の財産を保有する場合の調書制度
第六章 相続税の外国税額控除
QI 外国税額控除の概要
Q2 日本の相続税の申告期限において外国税額が確定していない場合
Q3 日本で課された相続税額よりも外国税額のほうが多い場合
Q4 数力国の相続税が課税された場合
第七草 アメリカからみた非居住者の場合の注意点
QI アメリカの相続税(遺産税)の概要
Q2 アメリカの相続税(遺産税)の計算上の配偶者控除
Q3 遺産管理人