1級土木施工管理技術検定試験の受験を行うことが決まりました

Q.
 当社の従業員が今回、1級土木施工管理技術検定試験の受験を行うことが決まりました。この資格は当社の仕事に直接必要ですので、受験手数料(16,400円)の全てを当社負担としました。そして、仕訳については、借方を福利厚生費15,185円・仮払消費税等1,215円とし、貸方を現金16,400円としましたが、問題はありませんか?

A.
 ご質問のケースでは、この試験の受験手数料に消費税が含まれているものとして処理していることに問題があります。課税対象取引であることは確かですが、この試験の受験手数料は非課税とされていますので、消費税は課されません。したがって、借方を福利厚生費16,400円 非とし、貸方を現金16,400円とする必要があります。

 消費税については、消費に負担を求める税としての性格から課税の対象としてなじまないものや社会政策的配慮から課税することが適切でないものは、非課税取引とされていますので、消費税が課されません。
 ご質問のケースについては、1級土木施工管理技術検定試験は国が行う行政サービスで、国民が他のサービス提供者を選ぶことのできない公の役務の提供に当たり、その資格を取得するためにはそれを利用することが唯一の手段であり、税金と類似した性格も持っていますので、消費税は課されないことになっています。

 課税対象外取引(不課税取引ともいう)と非課税取引を混同するケースも多く見受けられます。適正に区分するためには、第一にその国内取引が課税対象取引と課税対象外取引のいずれに当てはまるかの検討を行い、その後に課税対象取引に当てはまるもののうちで非課税取引として扱うべきものがあるか否かを確認する必要があります。
 建設業については、取引先に対する金銭による冠婚葬祭費や政治団体等に対する寄附金がしばしば見受けられます。これらは、「事業として対価を得て行われる資産の譲渡等」に当てはまらないことから、課税対象外取引とされています。
 しかし、贈答用として購入した商品券やビール券といった物品切手等については、課税の対象としてなじまないものとされ、非課税取引とされています。
 ただし、仕入税額については、課税対象外取引と非課税取引を厳密に区分することは特に必要なく、むしろこれらの取引が課税取引として仕入税額控除の対象とされていないかに留意する必要があると思われます。

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