「大型重機を購入してさらなる事業拡大を目指そう」と決議しました

Q.
 簡易課税制度の適用を受けている事業者です。平成20年の決算で課税売上高が900万円であると確定しましたので、「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」の提出を速やかに行い、平成22年度は免税事業者になりました。
 平成21年も課税売上高が1,000万円以下でしたが、平成22年12月の経営会議で、事業の飛躍的な伸長により「平成23年は2,000万円(税抜)の大型重機を購入してさらなる事業拡大を目指そう」と決議しました。そして、消費税の還付を受けるため、「消費税課税事業者選択届出書」を平成22年12月末までに提出しました。この大型重機購入に係る消費税額は、控除対象仕入税額の対象となると考えていいでしょうか?

A.
 「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」の提出を行うことで、それまでに提出した各種届出書が失効するというわけではありません。ご質問のケースでは、簡易課税制度の効力が持続していますので、大型重機購入に係る消費税額は控除対象仕入税額の対象となりません。還付を受けるどころか、平成21年の課税売上高が1,000万円以下であることから本来なら納税義務を負わない平成23年について、多額の納税が必要となりました。

 簡易課税制度の選択をやめようとする課税期間の初日の前日、ご質問のケースでは平成22年12月31日までに、「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を提出することが重要です。免税事業者が消費税課税事業者選択届出書の提出を行って課税事業者となる選択をしただけでは足りず、消費税簡易課税制度選択不適用届出書も提出すべきでした。この届出書の提出をしないうちは「消費税簡易課税制度選択届出書」の効力が、いつまでも続いてしまいます。
 故に、設備投資等によって簡易課税制度選択事業者が消費税の還付を受けようとする場合、消費税簡易課税制度選択不適用届出書を、選択をやめようとする課税期間の初日の前日までに、すなわち、平日・休日にかかわらず還付を受けようとする課税期間が開始する前日までに、提出する必要があります。

 簡易課税制度を選択している場合においても、基準期間の課税売上高が5,000万円を超えたり、免税事業者になったりすることにより、その制度を用いた申告が行われない課税期間が長期にわたれば、消費税簡易課税制度選択届出書を提出している事実を失念することが少なくありません。
 それ故、設備投資等によって簡易課税制度選択事業者が消費税の還付を受けようとする場合には、消費税簡易課税制度選択届出書の提出の有無や、設備投資等を予定する課税期間の基準期間における課税売上高を改めて確認し、必要に応じて消費税簡易課税制度選択不適用届出書を期限までに提出することが重要です。


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