当社は、このたび役員と使用人に対して工事完成記念品を支給することとしました。1万円以下であれば問題ないようですので、記念品ではなく金銭1万円を支給しました。この1万円は給与課税の対象外と考えていいでしょうか?

Q.
 当社は、このたび役員と使用人に対して工事完成記念品を支給することとしました。1万円以下であれば問題ないようですので、記念品ではなく金銭1万円を支給しました。この1万円は給与課税の対象外と考えていいでしょうか?

A.
 役員又は使用人に対して、工事完成記念品に代えて金銭の支給を行った場合、その金額に関係なく給与として課税されます。役員に対しては、役員賞与となることから、損金の額に算入されないということになります。

 役員又は使用人に対して、工事完成記念又は創業記念等に際して支給する記念品のうち、次の条件全てに当てはまるものについては、課税しなくても構わないことになっています。
○支給する記念品が社会一般的にみて記念品としてふさわしいものであること
○記念品の処分見込価額による評価額が1万円以下であること
○創業記念のように一定期間ごと到来する記念に際して支給するものについては、創業後相当な期間(おおよそ5年以上の期間)ごとに支給するものであること
 なお、趣旨が違う記念行事が偶然同じ年に行われ、記念品がそれぞれ支給された場合には、各々の記念品について課税に関する判定を行います。

 給与課税されない条件の一つである処分見込価額の評価基準については、特に規定はないものの、一般的には評価が難しいことから、そのものの通常の小売販売価額(いわゆる現金正価)の6割相当額で算出することになっています。
 また、非課税限度額の1万円については、処分見込価額によって評価した金額に108分の100を乗じた金額によって判定することになっていますので、消費税等は含みません。処分見込価額による評価額が1万円超となって課税される場合、給与課税の対象金額は、その記念品の通常の販売価額(消費税等を含む)とされています。
 なお、建設業者等が請負工事の完成等に当たって記念品として支給するものについては、給与課税の対象とされていることに留意が必要です。

 ちなみに、上記の条件に当てはまる創業記念品等以外に、所得税の課税対象外とされている給与の具体例として、次のようなものが挙げられます。
○職務の性質上、着用する必要のある者に支給される制服
○1カ月当たり10万円以下の通勤用定期乗車券
○社会通念上相当な額の祝金・見舞金

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