トンネル掘削機の製造業者を視察するべく、外国に社員を出張させました

Q.
 当社は土木工事業を営んでおり、トンネル工事を得意としています。このたび、外国の建設工事現場とトンネル掘削機の製造業者を視察するべく、外国に社員を出張させました。日程の都合から、一部観光をしたものの、宿泊費と交通費を「旅費交通費」として処理しましたが、何か問題はあるでしょうか?

A.
 外国技術の視察のために必要である費用は、旅費交通費として費用に計上されます。しかし、一部観光に関するものは、その社員への現物給与とされ、源泉徴収所得税が課されることとなります。
その社員がその法人の役員であるならば、役員賞与として損金不算入とされます。

 外国出張に伴い観光を行うこと自体が良くないということではなく、禁止されているわけでもありません。
 しかし、外国出張の合間に行われる一部観光は、その社員の個人的な部分への支出であり、その費用を法人が負担したら、その社員に対する現物給与とされます。

 その海外渡航が、その法人の業務の遂行に当たって必要なものであり、かつ、支給する海外渡航費が通常必要と認められる金額の範囲内である場合、旅費として損金算入が認められ、それ以外はその観光を行った社員に対する現物給与とされます。
 なお、業務遂行に当たって必要と認められる旅行と、それ以外の旅行(観光旅行等)を併せて実施した場合については、海外渡航にかかった費用を各々の期間の比等により按分して、旅費部分と現物給与の部分を算出します。
 ただし、海外渡航の直接の動機が業務遂行のためのものであれば、その往復の旅費については按分せずに旅費として処理することが認められています。

 海外渡航が業務の遂行に当たって必要なものであることや、旅費の額が通常必要と認められる範囲内であることが、説明可能であるよう、海外出張旅費規定や出張報告書といった書類を整備し、保存しておくことが大切です。
 また、外国出張の合間の一部観光などの支出部分については、公私を分けている旨を説明できるようにしておく必要があります。

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