事例17モーニングセット回数券販売に係る売上の計上時期についての事例

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事例17
モーニングセット回数券販売に係る売上の計上時期についての事例

私は県内で5店舗の喫茶店を営む法人の代表取締役Aという者です。私どもの法人では前事業年度の不振を受け、この度、経営改善を図るため、フードコンサルタント業者にコンサルティングを依頼しました。コンサルティングの結果、私どもの店舗では朝の時間帯は8割以上がリピーターであるため、そちらのお客様に向けて「モーニングセット回数券(以下回数券)」の販売を開始し顧客の囲い込みを図る事となりました。この回数券の内容は、500円のモーニングセットと引換え可能な回数券12枚綴りを5,000円で販売するというものです。
 この回数券販売の経理処理に関しまして、私どもでは回数券の販売時にお客様よりお預りした金額を「前受金」として計上し、お客様が回数券をご利用された際に売上に振り替えるという処理を行っていました。
 しかし、決算期に担当の税理士に1年間の取引を確認してもらったところ、回数券販売の経理処理について、以下の指摘をうけました。「回数券は販売時に5,000円の売上を計上せずに、利用時に毎回売上を計上していますが、税務署の確認などは受けましたか?  受けていなければ回数券販売時に5,000円の売上計上が必要ですよ」
 私どもでは税務署への確認など行っていませんでしたので、回数券販売開始後の約10ヶ月分の経理処理を見直すこととなってしまいました。

失敗のポイント

今回の事例では、回数券の販売に係る売上の計上時期が問題となっています。今回のケースでAさんは回数券販売時に受取った現金を前受金として処理を行い、引換え時に売上を計上していたようです。しかし、こちらの処理を行うには一定の手続きが必要となります。原則は上記税理士が言っているように販売時に売上を計上する事となります。

正しい対応

売上の計上時期に関しましては、税務調査等でも論点となることが多い部分です。今回のケースでは回数券の販売の収益をどの時点で計上すべきか、ということが論点となっているようです。
 結論としては、上記の税理士が指摘しているように、回数券販売時に5,000円の売上計上を行うこととなります。Aさんが行ったようにモーニングセットとの引換え時に売上を計上する場合には所轄の税務署などへの確認を行うなど一定の要件を満たす必要があります。

税法等の解説

税法上では法人が商品引換券等を発行に係る収益の帰属時期について次のように定めています。

1 .一定の要件を満たさない場合
 法人が商品引換券等を発行し対価(売上)を収受した場合には商品引換券等を発行した日の属する事業年度の売上として計上する。

2 .一定の要件を満たす場合
 法人が商品引換券等と引換えに商品を提供した日の属する事業年度において売上として計上する。

3 .「一定の要件」とは
 法人が商品引換えの日の属する事業年度において収益を計上すること、商品引換券等の発行日の属する事業年度終了の日の翌日から3年を経過した日の属する事業年度終了の時において、まだ利用されていない(商品の引渡しが未済である)商品引換券等に係る売上を当該事業年度の売上に計上することにつき所轄税務署長に確認を受けること。さらにその確認を受けた後において継続的にその経理方法を行っていること。

4 .税務署への確認方法
 税務署への確認方法に関しましては、書式等は特に定められていませんので、各々で文書を作成し、所轄の税務署へ送付するという形式になります。文面等の作成方法等に関しては、個々の事例によって異なりますので、担当の税理士等に御確認下さい。

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