Ⅰ(98~99)

M・N氏夫人

毎度のことながら、「もうやめる」と言われると、嘘とは思いながらもかすかに希望をもつ馬鹿な私でした。
「もう酒は飲まない、もうやめた」といって出勤に夜帰宅の時にはもう1杯飲んで帰る。「俺が自分の金で飲んで何か悪い。世間の人はみんな飲んでいるではないか。なぜ、俺だけ飲んではだめなのだ!」とがらんできます。毎度のことながら「もうやめる」といわれると、嘘とは思いながらもかすかに希望をもつ馬鹿な私でした。
 平成6年末からの単身赴任での大きなお土産は、再飲酒でした。何を言っても、何をやっても、本人がやめる気にならなければ駄目ということは、以前の断酒生活で知っていましたから、私は一層悲しく苦しい思いでした。
 それから約4年間、若い時とは違って週末の連続飲酒が続きました。暴力こそありませんでしたが、主人と私の2人きりの生活は、出口のない地獄の生活でした。平成9年1月4日、忘れもしません自宅の駐車場で事故が発生しました。主人は泥酔状態で憶えていないと思いますが、私は主人の運転する車でハネ飛ばされました。こんなことがあっても、お酒は止まりませんでした。
 傷ついた私を見て、自分のしたことが信じられず、さらに酒にのめりこんでいきました。いまさら過去のことをいってみても元にはもどりません。そして10年8月、再び断酒会へと2人で向かいました。少しの希望を求めて、私はもう一度例会通いをしようと思います。


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